特定技能2号の受入れ拡大にともなう留学生の意識変化について

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特定技能2号については、これまで建設分野及び造船・舶用工業分野(溶接区分のみ)が対象でしたが、介護分野以外の全ての特定産業分野において今後2号の受入れが拡大されることになりました。

令和5年6月9日閣議決定し、8月31日付で省令等が改正・施行されたことにより、同日から開始されています。

※参照:出入国在留管理庁「特定技能2号の対象分野の追加について」
https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/03_00067.html

 

日頃より多くの留学生と接している身として、この決定にともなう留学生の意識変化について、私の個人的な意見も含めて、記載してまいりたいと思います。

 

留学生の話を聞くと、数年前までは、特定技能1号での就職は、デメリット(以下の赤字部分)ばかりが際立ってしまって、どうしても技術・人文知識・国際業務(以下「技人国」という)での就職希望が多かったのですが、2号拡大への流れを受けて、近年、特定技能での就職希望者が増えているように感じます。

 

 

特に専門学校や大学等を卒業した留学生にとっては、学歴要件を満たしていることで、在留期間の制限がない技人国へビザ変更することもできるわけで、あえて特定技能へビザ変更するメリットがないので、なんとしても技人国で就職を探したいという気持ちが強い傾向にありました。

 

留学生が就職を希望するのは、特定技能1号として受入れが認められている12職種の中では「飲食料品製造業」「外食業」「宿泊業」の仕事がほとんどといってもよいと思います。今まではこれらの職種は2号に移行することができませんでしたが、今回2号の受入れ拡大が決定したことにより、アルバイトの延長線上のような感じで就職ができることで、留学生の特定技能に対する意識が変わってきたように感じます。

 

そもそも、留学生専門学校や大学を卒業後の就職状況は、30-40%程度です。これだけ日本社会で人手不足が叫ばれている状況の中で、日本で何年か生活をし、勉強をした学生が、日本国内就職以外の進路につくというのは、非常に残念に思います。また、それは雇用のミスマッチが大きな原因であるようにも思えます。

 

※参照:JASSO 「外国人留学生進路状況調査結果」
https://www.studyinjapan.go.jp/ja/statistics/shinro-and-gakui/index.html

 

そもそも、現在留学生のほとんどは、技人国のビザで就職をしていますが、技人国が技術・知識が必要な業務等を行う場合を前提として在留資格が許可されていることを考えると、その条件に適合する仕事を探すのは、なかなか難しい状況ではあると思います。

 

そのような点から言って、特定技能で単純労働を含む仕事を経験することによって、育成期間を経て、少しずつ技人国へキャリアアップするという道筋が見えてきたことはよかったのではないでしょうか。

この2号の受入れ拡大を受けて、更に留学生の日本国内の就職希望者が増えることを切に祈るばかりです。

 

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